顔面神経麻痺の治療の為に、低周波治療器を導入しました。
《利点》
- 通電の際に体の中を通っている電流量を随時デジタル表示してくれます。→各個人に適量、適時間を管理しながら流すことが可能。記録を残せる。
- 細胞の修復として注目されている微弱電流治療(マイクロカレント療法)としても活用できる。
- 電気ていしん(刺さらない先の丸くなった鍼)の端子(右、写真)を利用して必要な部分をポイント的に施術できる。→麻痺した部位の動かない筋肉の血流改善。
- 病的共同運動の改善にも可能性が開ければとこの機器に期待しています。(※1)
低周波は病的共同運動を起こす可能性があると否定論(※2)がありますがこれはラットの実験のみで言われているそうです。また、非同期での使い方で改善されるとの報告もあります。(※)1
《対策》
- もし目周囲と口周囲で同時に使う場合は、2台の機器で別けて使う。非同期(違うリズム)。
- 電流量を強くしない。
- ある程度、症状が安定してから使う。
発症直後はマイクロカレント(微弱電流)療法として細胞の修復を主として使う。など。
マイクロカレント療法の顔面神経麻痺への研究発表などがほとんどされていないので、希望される患者さんのみに、要望を聞きながら、細心注意しつつ使っています。
引用:
(※1)疾患別治療大百科 シリーズ4『頭部疾患』(医道の日本)P.21
・・・『岡村(1996)は「非同期の通電で共同運動に対して効果を上げている」と報告している。』
(※2)『ENoG値<40%〔40点法(柳原法)で、発症4週で10/40点以下〕の顔面神経麻痺の症例に対しては、患側全体の粗大で強力な筋収縮を誘発するために、神経断裂線維の迷入再生も促通し、病的共同運動の原因になる。さらに顔面神経核の興奮性亢進をいっそう促して筋短縮による顔面神経拘縮を助長することになる。』
『顔面神経麻痺 診療の手引き-Bell麻痺とHunt症候群-2011年版』P.87
日本顔面神経研究会(編)出版社:金原出版株式会社 発行2011/3